2016/8/7経済・ビジネス
大企業の夏のボーナス、90万円を突破! なぜボーナスは増え続けているのか?
・2013年度から大企業は業績が伸びており、これに比例してボーナスが増加している
・ボーナスは、約6か月前の景気を反映している
・江戸時代の「お仕着せ」がボーナスの起源
4年連続で大企業のボーナスが増え続けている理由
大企業のボーナスは、2013年から4年連続で増加し続けています。政府の統計や、大手シンクタンクの統計によると、大企業の
経常利益
は2013年度から増加し始めています。これに比例して、社員のボーナスが増加していると思われます。なお、企業側は業績が良くなっても基本給のベースアップを抑制して、ボーナスの増加で社員に対して報いる傾向があります。その理由としては、基本給は一度上げてしまうと、企業の業績が悪化して経営不振といえる状況に陥っても、基本給を下げるのはきわめて困難だからです。その理由は、労働関係法令において、労働者に対する不利益措置をとる場合、会社側がとるべき手続きが定められているためです。労働者の代表や、労働組合が同意しないかぎり、基本給を下げることはできないのです。その点、ボーナスならば、会社の業績が悪化した場合は減らすことができます。ボーナスは会社にとって変動費用という位置づけとなっており、業績が悪化すれば金額を減少させ、業績が良くなれば金額を増やしていくのです。このため、業績が良いときのボーナスの上昇幅は大きくなる傾向があると思います。
ボーナスは、景気を反映しているのか?
ボーナスは企業の
売上高
と利益水準を反映しており、企業業績が好調であることを示していると思います。また、企業業績が好調であるということは、日本のマクロ経済が好調であることを反映していると思います。ただし、注意をしなければならない点は、ボーナスは決算に基づいて支給額が決定されるということです。つまり、今年の夏のボーナスは、2016年3月期決算の業績に基づいて支給額が決定されているのです。今年の夏のボーナスならば、昨年度の下半期決算を反映している企業がほとんどだと思いますし、今年の冬のボーナスは、今年度の上半期決算の業績を反映させるのだと思います。このため、ボーナスは約6か月前の景気を反映しているという表現が、妥当ではないかと思われます。いわゆる景気の遅行指標です。
ボーナスの起源と歴史
日本のボーナスの起源は、江戸時代に商人や職人に対して、夏のお盆と年末の時期に支給されていた「お仕着せ」の習慣にあると云われています。夏のお仕着せは「氷代」と呼ばれ、暮れのお仕着せは「餅代」とも呼ばれていたそうです。そして、近代のサラリーマンなどに支給されたボーナスとしては、1876年(明治9年)に岩崎弥太郎が率いる三菱商会が支給した賞与が日本で初めてのボーナスと云われています。現在の 三菱商事 です。