2016/6/17経済・ビジネス
一目瞭然!詳しくなくてもよくわかる、『パナマ文書』の要点まとめ
パナマ文書に関わるニュースは世界中を震撼させました。海外のニュースではありますが、パナマ文書には身近な数多くの問題が潜んでいます。興味が無かったりよくわからなかったり、パナマ文書について理解しそびれてしまった方のために、簡単にまとめてみました。
パナマ法律事務所から流出したデータ『パナマ文書』
この事件を一言で説明するならば、『富裕層だけが知る、絶対に知られてはいけない秘密が暴露されてしまった大事件』です。また、今世紀最大の漏洩とも言われています。
『パナマ文書』とは、パナマにある法律事務所より漏洩した大量のデータのこと。このモサック・フォセンカ法律事務所では節税を取り扱っており、この法律事務所を通じて節税をしていた大企業の名前やデータが一気に流出しました。
節税と聞くと大した問題は無さそうですが、この法律事務所の行っていた節税方法に大きな問題がありました。それが『タックスヘイブン』です。
何が問題?『タックスヘイブン』を使った節税
『タックスヘイブン』とは『
租税
回避地』のこと。つまりほとんど税金がかからない、あるいは全く税金が必要ない国のことです。
各国の大企業から依頼されたモサック・フォセンカ法律事務所が、税金のかからない国に架空の会社(ペーパーカンパニー)を作り、その会社が利益を出したという事にし、企業が利益を総取りしていました。
このタックスヘイブンを使って節税している大企業は本来国に収めるべき税金を全く納めていないことになり、その未納金額は毎年国家
予算
を上回るのではと言われています。
稼いでいる大企業がタックスヘイブンによって税金を払わず、その結果国を運営するための資金が足りず、税金が引き上げられ格差が拡大するという悪循環を招く可能性があります。タックスヘイブンが横行する事によって国はどんどん貧しくなるからです。
このタックスヘイブンによって支払われなかった税金がきちんと納められていたなら、消費税というシステムは存在せず、私たち一人当たりの所得がもっと上がっていた可能性がある、とまで言われています。
不景気なんて嘘?パナマ文書には日本企業の名が
海外の事だから別に関係ないのでは?と思いの方もいらっしゃる事でしょう。しかしこのパナマ文書には、日本企業の名前も多く記載されていました。
日本は長らく不況で、大企業も軒並み赤字経営。長期間の不景気で一般労働者の懐は寒い期間が続いています。
しかし、この『タックスヘイブン』をうまく利用する事で、『企業が赤字を装うことが可能』なのです。つまり大企業による長年の赤字経営は実はずっと黒字で、パナマにその利益が蓄積されていたという可能性。タックスヘイブンにより日本からお金が流出し続けている可能性があるのです。
また、このパナマ文書に関しては、ネットとテレビの温度差も気にかかる部分です。多くの人がパナマ文書によって露呈された問題を認識し、現在の不透明な状態に対して声を上げていく必要があります。