2016/8/11経済・ビジネス
ビットコインの相場が急落したけど、通貨として問題ないの?
・8月3日、顧客の口座から7200万ドル相当のビットコインが盗難されたことがきっかけで、ビットコイン
相場
は約23%
急落
した
・ビットコインは国家の信認を背景にしておらず、特定の管理者さえ存在しない
・今後もビットコインのシステムに対して攻撃がなされると推測できる
ビットコイン相場の急落の原因
8月3日、香港に本拠を置いているビットコイン取引所のビットフィネックスが、顧客の口座から11万9756ビットコインが盗まれたことを明らかにしました。盗難時の時価で7200万ドルに相当します。この盗難発覚を受けて、ビットフィネックスは取引を停止し、その後2日間でビットコイン 相場 は約23%も 暴落 しました。ビットフィネックスはドル建てで取引できるビットコイン取引所としては世界最大の規模を誇り、今回被害にあったビットコインは、現在流通しているビットコイン全体の約0.75%に相当し、被害額としては過去2番目の規模となっています。なお、ビットフィネックスは盗難の手段としては、外部からの不正アクセスだったのか、内部の人間による犯行だったのかは不明と発表しています。しかし、ビットコイン 相場 が2日間で約23%下落した理由は、ビットコインのシステムを支えるブロックチェーン技術に脆弱性があるのではないかという不安心理に基づくものではないかと推測されます。
そもそもビットコインとは何か
ビットコインは国家や企業が管理していない仮想 通貨 です。しかも、特定の人物さえもが管理をしておらず、不特定多数の有志によって、コンピュータのネットワークを利用して管理される仕組みとなっています。そして、ビットコインが新たに発行されたり、取引されたりした場合は、コンピュータネットワーク上の取引台帳に記録されるそうです。しかも、その取引台帳はコンピュータネットワーク上で公開されていて誰でも閲覧できる状態になっているため透明性が高いとのことです。なお、ビットコインの 通貨 としての信用を保全するための取り組みには、有志のコンピュータリソースが利用されおり、定期的にビットコインの取引台帳が更新され安全性が保たれているそうです。このように透明性が高いため、誰かが勝手にビットコインを大量に追加発行することはできないので、信用不安は発生しないとこれまで宣伝されてきました。
ビットコインをはじめとする仮想通貨の安全性に問題はないのか
ビットコインの大規模盗難事件は、2014年にも発生しています。東京に本拠を置いていたビットコイン取引所のマウント・ゴックスが約5億ドル相当の盗難にあい、2014年にマウント・ゴックスは経営破綻に追い込まれました。このときビットコイン
相場
は600ドルから200ドルまで
急落
し、
通貨
としての不安定さを露呈しました。
2014年に続いて今年も多額の盗難事件が発生した事実を踏まえれば、ビットコインに対しては技術面で信頼感を持つことは難しいと思われます。技術は日々進化しており、特定の管理者が存在しないというビットコインのシステムに対してはこれからも「攻撃」が行われることは容易に想像できると思います。また、ビットコインについては技術面での安全性の他に、貨幣価値としての安全性にも不安感を感じざるをえません。日本の財務省も、ビットコインを「貨幣」として認定していますが、ビットコイン
相場
は変動率が高すぎるという指摘もあります。2014年のビットコイン
相場
は600ドルから200ドルまで下落したことがありましたし、今年の8月上旬の
相場
でも2日間で約23%も
暴落
しています。
為替
相場
が、2日間で20%以上変動することは考えにくく。
通貨
がわずか2日間で20%も
暴落
、1年間で60%以上
暴落
することも考えにくいですこの点で、国家というバックボーンを持たないビットコインは、貨幣価値の
暴落
という
リスク
も背負っていると思われます。