2016/8/11経済・ビジネス
ゲームがリアルに飛び出した!ポケモンGOとは何か?
・ポケモンGOは熱狂的なファンがいるゲーム。収益予測は年間3,000億円だがこのまま人気を保てるかは不明確。
・ポケモンGOの好調は、
任天堂
とポケモンGO関連各社の株価に影響を与え、株価が
急騰
した。
・ポケモンGOはバーチャルゲームだが、地理を媒介にしリアル世界への波及効果を秘めている
社会現象化しているポケモンGOの注目される経済効果とは?
まずポケモンGOについて説明すると、これはスマホの位置情報を利用し、現実社会の地理上に現れるポケモン探しや交換、バトル体験ができるゲームです。スマホ画面内で完結するようなものでなく、屋外に出てポケモン探しや他のプレイヤーとの交流ができるゲームです。夢中になりすぎて事故などにあう例も発生しており、ユーザーの熱狂度は高いです。ポケモンGOは7月6日に米国、オセアニア地区で配信され、米国の調査会社によれば配信からわずか4日で14億円程度の売上があったとのことです。これを年間換算すると1年で1000億円以上の売上が見込まれます。また、欧州でもポケモンGOの配信が始まっています。米国に比べポケモンへの熱狂度は低いものの、EU圏でもある程度のユーザー層が存在し米国に比べ人口が2倍あることから、ポケモンとスマホの相乗効果から米国並みの売上も予想されています。また、ポケモン発祥の地、日本でも配信が予定されているものの、予想以上の人気でサーバーの準備が追いつかないようで配信が遅れているようです。予定日とされている7月20日になってもいまだに配信はされず、ファンは待ち焦がれています。米国、EU、日本その他の国での収益予測は年間3000億円となっていますが、ゲーム人気がこのまま熱狂的に推移するのかまでははっきりとは言えません。
ポケモンGOの好調で沸いた株式市場
ポケモンGO配信前後の 任天堂 の株価は1株15,000円前後、時価総額は二兆円ほどでしたが、米国での好調が伝えられると株価は 急騰 、7月19日には年初来 高値 の32,700円、時価総額も4兆6000億円と会社の価値も倍以上になりました。また、 任天堂 の今年度(来年3月まで)の純利益見通しは350億円と発表しており、市場で広く知られているポケモンGOの収益予測と大きく乖離していますので、この株価になるのも無理はありません。さらに 任天堂 はPokemon Go Plusという、腕時計型の携帯ゲーム機も発売予定で、これが5,000万個売れれば250億円程度の利益がかさ上げされるとも予想されています。これまでに株価がかなり 急騰 したものの、市場の評価がさらに高まる可能性もあります。また、ポケモンGOの高評価を受け、ポケモンGOに関連した各社の株価も 急騰 しています。例をあげると、 任天堂 の大株主でメインバンクの京都銀行(8369)、ポケモンの玩具化権利を持つタカラ・トミー(7867)、ポケモンのTV・映画アニメ製作会社を持つイマジカ・ロボットHD(6879)、ポケモンGOを共同開発した米国ナイアンティック社に出資しているフジ・メディアHD(4676)などです。
ポケモンGOとリンクする経済効果
ポケモンGOは関連する企業に影響があるだけでなく、他の業界への波及効果も考えられます。たとえば、米国でピザレストランがゲームアイテムを購入してポケモンを誘引し、それに惹かれたゲームユーザーを集客することに成功を収めました。この事例は店がゲームアイテムを購入をする側となっていますが、逆にポケモンGOと手を組む企業も出てきています。マクドナルドはポケモンGOとコラボレーションを公表しており、いろんな憶測を呼んでいます。たとえば全国のマクドナルドがポケ ストップ (アイテム入手可能場所)になるのではないかというものです。先ほどの米国のレストランの例から見ても、他の業界がポケモンGOというゲームを使い、相互に経済効果を高めあおうとする動きを見せています。ポケモンGOはバーチャルなゲームですが、現実上にある地理を利用しているので現実世界とリンクした広がりと可能性を秘めています。