2016/11/29経済・ビジネス
実際に使われるVR達
・VRとは仮想現実のうえにリアリティを構築する技術であり、人間の脳を意図的に誤認識させる技術でもある。
・すでにVR技術を用いたゲームが販売されたり、グーグル社が1500円という廉価でVRゴーグルを販売している。
・2016年11月に、アルプス電気がVR関連機器向けの触覚デバイスを開発した。これによって、ゲームだけでなく、医療における手術トレーニングにも応用が可能となる。
VRとは何か?
VRとは、仮想現実やバーチャルリアリティに関する技術といわれています。仮想空間のうえに、リアリティ(実在感)を構築する技術であり、人間の脳を意図的に誤認識させる技術でもあります。デバイスとしては、没入型HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などが用いられます。
実際に商業化されているVR技術とは?
現在のVR技術は、画像や音声、それに深部感覚によってリアリティを生み出しており、すでにさまざまなVRの技術が商業化されています。代表的な商品に、仮想現実を用いたゲームが挙げられます。
例えば、オキュラス社が2016年1月から販売を開始したOculus Riftです。この製品の特徴は、Oculus Touchという専門のコントローラーを用いて、バーチャルな世界のデバイスを実際に操作できる点にあります。これにより、より没入的な仮想現実の体験が可能となっています。このコントローラーは、マイクロソフト社のXboxのゲームにも対応が可能となっており仮想空間を体感しつつゲームを楽しむことができます。
また、
ソニー
が発売しているプレイステーション4でも、VR技術が搭載されており、VRヘッドセットをかぶると、ゲームプレイヤーを360度取り囲んだ形で迫力のある3D空間が出現します。
さらには、グーグル社はダンボールでできているVRゴーグルをわずか1500円で販売しています。これは、専門のアプリを起動したスマートフォンを装着するだけで、グーグルアースの上空を飛び回る「Earth」や、世界の観光地をガイド付きで見回ることができる「ツアーガイド」、それに巨大スクリーンで動画を視聴できる「マイ動画」などに対応しており、気軽にバーチャルリアリティを楽しむことも可能となっています。
アルプス電気が開発した触覚デバイスに注目
注目企業としては、アルプス電気を挙げることができます。2016年11月、アルプス電気はVR関連機器向けの触覚デバイスを開発したと発表しました。これは、モーターなどの電子部品を組み合わせて、物を握ったときの硬さや温かさなどの感覚を疑似的に作り出す技術です。具体的には、触覚デバイスを内蔵した装置を握るとモーターの力で指を押し戻して硬さや柔らかさを伝える仕組みとなっています。装置のなかに、ヒーターや冷却部品を組み込むと、温かさや冷たさを感じることができるようです。
アルプス電気は、VRを利用したゲーム機だけでなく、さまざまな保守作業や病院における手術などのトレーニングに使う機器の需要を見込んでいます。そして、VR技術の応用分野は幅広く、触覚デバイスをコア技術のひとつとして育成する方針です。来年2017年には量産を開始して、2020年頃には100億円の
売上高
を目指しています。
とくに大学病院において、学生向けに手術シミュレーションを詳細に実施することができるようになれば医療ミスも減ると思われますので、大いに期待を持ちたいところです。